2019年12月6日(金)

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ちゃんと知ろう!ワキガ(腋臭症:えきしゅうしょう)って、どんな病気?

八木先生:しゅーくん、さっきからワキのにおいを嗅いでいるけど、一体どうしたんだい?

しゅーくん:実は、自分のにおいに悩んでいて・・・ワキガなのかも?って不安になるけど、汗のにおいなのか、正直よくわからないんだメェ。

八木先生:なるほどね。体臭が強い=ワキガ、と勘違いしている人も多いけど、しゅーくんはワキガってどんな病気かきちんと知っているかな?

しゅーくん:うーん、そういえばあまり詳しくは知らないメェ。

八木先生:じゃあ、今回はワキガについて解説するよ。

(この記事の担当:八木先生、しゅーくん)

(監修:藤田研也先生(ふじた形成外科・皮膚科クリニック 院長))

    腋臭症(ワキガ)って、どんな症状?

    一般的には「ワキガ(わきが)」と呼ばれる腋臭症(えきしゅうしょう)。「ワキ」は漢字で「腋」って書くんだけど、そのまま、「ワキがにおう症状」という意味だよ。汗をかく仕組みの記事で解説したとおり、汗は「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺から分泌されるんだけど、アポクリン腺から出る汗は、特有のにおいの原因になったり、服についたら黄色いシミになったりするんだ。ワキガの症状がある人は、エクリン腺からの汗も多いワキの多汗症(腋窩多汗症)であることも多いよ。ただ、ワキ汗が多い人みんなワキガというわけではなく、ワキガの人はワキ汗が多い傾向がある、ということなので、ここは勘違いしないでほしいな。
    実はこのにおい、欧米ではある程度、生理現象として認識されているんだ。でも、日本を含む東アジアでは、においや衣服の黄ばみなどに嫌悪感を抱く傾向があり、特に日本では、ワキガを嫌がる人が多いメェ。そのせいで、においを過剰に気にしすぎて、深刻に悩んでしまう人もいるよ・・・。

    八木先生のマメ知識

    腋臭(ワキガのにおい)は一種のフェロモンであり、異性を引き付けるためのものや、縄張りを主張するためのものとして機能していた、と考えられているよ。動物のほとんどはアポクリン腺のみを持っていて、今でも多くみられる機能なんだ。実は、世界三大美女の一人としても有名な古代中国の美女、楊貴妃の「体から良い匂いを発していた」という逸話は、ワキガのにおいだったのでは?と言われているんだ。当時は、ワキガのにおいを「魅力的と感じられる体臭」と捉えていたと考えられているよ。

     

    腋臭症(ワキガ)の原因って?なぜワキガになるの?

    腋臭(ワキガのにおい)の原因は、ワキ部分のアポクリン腺から分泌される汗にあるんだ。その汗に含まれる脂質・タンパク質が、皮膚表面の細菌に分解され、特有のにおいを生むとされているよ。このアポクリン腺の発達には、遺伝的素因、性ホルモンなどが関与するほか、ワキ毛の量、ストレスや緊張などの精神的な要因も関係しているんだ。
    アポクリン腺そのものの量は、遺伝子により生まれつき決まっていて、腋臭症(ワキガ)は優性遺伝、簡単に言うと遺伝しやすい、と言われているよ。また、これと関連して、腋臭症だと耳垢が湿っている場合が多いんだ。
    ワキガは、基本的には遺伝でなるものと考えられているけど、ワキガになる遺伝子を持っていない人でも、ストレスや食生活などの生活習慣、ワキを清潔にしないなどの要因で、ワキガのにおいを発する可能性があるよ。また、女性の場合は月経や妊娠、出産の際に、一時的にワキガのニオイが強くなることがあるんだ。アポクリン腺は女性ホルモンの影響を受けるので、女性ならではの体の変化による女性ホルモンの作用で、一時的にこのような症状が出ることがあるよ。

    八木先生のマメ知識

    ワキガは遺伝しやすいため、実は人類全体では、ワキガである人の方が圧倒的に多数派。でも、例外的に日本人、中国人、朝鮮人などの東アジア人においては、ワキガである人は5%-20%と少数派なんだ。東アジア人の祖先は、シベリアなど特に寒冷な地域をルーツにしていて、当時の気候に適応した結果だと考えられているよ。

    腋臭症(ワキガ)の対策や治療はどんなものがあるの?

    においを減らすための対処法と、病院でできる治療をあわせて紹介するね。病院でできる治療については、「汗腺」や「汗を出す仕組み」をターゲットにしているので、ワキガの治療と多汗症の治療法は共通しているものもあるよ。また、先述の通り、ワキガの人は多汗症の症状もあることが多いんだ。汗を止める治療については、この記事で多汗症の治療を詳しく解説しているから、こちらも参考にしてみてほしいな。

    <自分でできること>

    ①ワキ毛の処理
    ワキ毛の処理をすると、ワキの下で汗がとどまるのを防ぎ、また皮膚常在菌が繁殖する場所が減る事によって、においも軽減できるよ。自己処理は自分でできるけど、医療脱毛でももちろんOK。

    ②アルコール消毒
    市販の消毒液(エタノール水溶液、またはイソプロパノール水溶液)をワキに塗って、においの元となる常在菌を殺菌することも有効だよ。

    ③制汗剤
    ドラッグストア等で販売されている制汗剤でも、一時的ににおいの発生を防ぐことができるんだ。「医薬部外品」で殺菌作用のある制汗剤は、アルコール消毒と同じように皮膚常在菌を殺菌してにおいを抑える効果があるよ。

    ①~③のどの方法も、自分でできる手軽な方法だけど、それでも気になる方、不安な方は、病院で治療してもらうことをオススメするよ。

    <病院でできる治療>

    ①薬を使った治療
    塩化アルミニウムの配合された塗り薬を塗って、汗孔や汗管(汗が出る穴)にふたをして発汗を抑制する治療があるよ。その結果、においが軽減されるんだ。

    ②手術
    手術では、剪除法(せんじょほう)という方法が、最も一般的に行われているよ。ワキの皮膚のシワにあわせて皮膚に切れ込みを入れて、皮膚を裏返し、目で確認しながらハサミでアポクリン腺を切り取っていく方法だよ。ハサミで切り取る以外に、管を挿入して吸い出す方法や、ハサミのような器具を挿入する方法もあるよ。ただ、手術の場合は、傷が残る可能性があるほか、術後に1週間ほど固定が必要だよ。

    ③その他の治療
    機器を使って皮膚を切らずに汗腺にダメージを与えて、汗自体を出なくさせる方法もあるよ。手術とは違い、切らないので傷ができず、術後の生活への影響も軽いのがポイントだよ。

    八木先生の豆知識

    自分はワキガではないか?と不安に感じている方の中には、「自臭症(じしゅうしょう)」と呼ばれる神経症が原因の方もいるよ。「周りからくさいと思われている」と思い込んでしまい、他人の何気ない行動を自身のにおいのせいだと関連付け、日常生活を困難にしてしまう症状で、本当はワキガではないのに、自分はワキガだと思い込んでしまっているんだ。こういった方は、客観的な事実を知ることにより精神的に解放される方が多いよ。不安に感じている方は、一人で悩まず、一度病院で診断してもらうことも大切だよ。

    まとめ

    今回は、腋臭症(ワキガ)について解説しました。特に現代の日本では、「自分のにおいに配慮することはエチケット」という考えが根づいていて、ワキガは深い悩みになりやすい症状だといえます。ワキ汗が多くてにおいが不安、ワキガのにおいがする気がする、など、不安に感じることがあれば、一人で悩まずにお医者さんに相談してみよう。ワキガかどうかの診断やワキガ治療はもちろん、ワキガではなくてもワキ汗の治療など、お医者さんが力になってくれます。適切な治療を受ければ、症状も悩みも軽くできますよ!

    (教えて!汗ナビ編集部)