ワキ汗について教えます!
ワキ汗が多いと病気?

監修 東京医科歯科大学大学院
皮膚科学分野 教授 横関 博雄 先生

ワキ汗が多く出る
腋窩えきか多汗症たかんしょう

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ワキ汗が多く出る病気のことを「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」といいます。腋窩(えきか)とは、ワキの下のこと。
ワキの下はもともと汗腺が多いうえに、緊張やストレスなどの精神的な刺激と、気候や運動による温熱刺激の両方で発汗が促進されるため、汗を多くかきやすい部位です。

多汗症って?

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人間のからだは、暑さや運動によって体温の上がりすぎを防ぐため、汗をかいて熱を発散させています。また、精神的な緊張やストレスによって汗をかくこともあります。
体質で汗が多いという人はいますが、ワキ汗で人目が気になるなど、日常生活で困るほど汗が出る場合は、『多汗症』という病気が考えられます。多汗症の症状があらわれやすいのは、手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位です。
多汗症に悩む人は、思春期から中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多いといわれています。男女の比率はほぼ同等とされていますが、日本国内の調査では男性患者のほうがやや多いと報告されています*

*FUJIMOTO, Tomoko; KAWAHARA, Kazuo; YOKOZEKI, Hiroo. Epidemiological study and considerations of primary focal hyperhidrosis in Japan: From questionnaire analysis. The Journal of dermatology, 2013, 40.11: 886-890.

多汗症は、主に、明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、何らかの病気や使用している薬が原因となる「続発性多汗症」に分けられます。続発性多汗症は、原因となる病気を先に治療する必要があります。

【原発性局所多汗症の診断】

八木先生

局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま、6ヶ月以上認められ、以下の6症状のうち、2項目以上あてはまる場合を多汗症と診断します。

  1. 1)最初に症状がでるのが、25歳以下であること
  2. 2)対称性に発汗がみられること
  3. 3)睡眠中は、発汗が止まっていること
  4. 4)1週間に1回以上、多汗のエピソードがあること
  5. 5)家族歴がみられること
  6. 6)それらによって、日常生活に支障をきたすこと

これらの2項目以上を満たす症例や幼少児例では、家族からの指摘などを
参考にして、それぞれ発汗検査を行って診断を確定します。

【重症度の判定】
HDSS(Hyperhidrosis disease severity scale)

自覚症状により、以下のいずれに該当するかを判断してもらい、③および④を重症の指標とします。

  1. 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない。
  2. 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある。
  3. 発汗はほとんど我慢できす、日常生活に頻繁に支障がある。
  4. 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある。
「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」より抜粋